看護師の就業意識を分析

女性看護師の就業意識を分析して看護師不足に歯止めをかけようと、これまで様々な研究がなされてきた。その様々な研究結果から浮かび上がってくる就業意識の傾向や、そうなる要因を分析した研究もある。その研究によると、正社員の看護師は、職場定着志向が高いことが明らかになった。これは、専門職であるがゆえのモチベーションの高さが影響していると考えられる。しかし、他職種の専門職と比較した場合、仕事を辞めたいと考える人の割合が極めて高いのも特徴だ。特に新卒看護師の離職率を見てみると、他職種よりも高い。

看護師が仕事を辞めるきっかけとなるのは、出産より結婚だ。だが、これは看護師に限ったことではなく、他職種にも見られる。さらに結婚は、雇用形態を正規から非正規へ転換させるきっかけにもなりがちだ。離職せずに仕事を継続できている女性は、サポートしてくれる家族の人数が多い傾向にある。看護師一人では、家庭と仕事の両立が大変なことが窺えるだろう。

看護師が転職を意識するタイミングは、結婚が多いことがわかった。だが、ベテラン層になると体力的な問題や親の介護の問題などが出てくるのか、勤務日数が多いほど転職志向が高まる。また、一度でも転職を経験した人はその後も転職志向が高まりやすい。なお、賃金が職場定着効果を高めることがわかっているものの、これはベテラン層に限定されるのが現状だ。このことから、初職が適した職場かどうかで、その先のキャリアが左右するといえるだろう。キャリアが気になる看護師は、こちら((http://career-awareness.com))にも目を通しておくといい。